賃貸管理と建物管理の違いとは?2つの不動産管理方法を解説!
不動産管理は大きく「賃貸管理」と「建物管理」にわけられます。賃貸管理とは主に入居者様への対応、建物管理とは物件自体の維持管理とイメージすることができますが、これだけでピンとくる方は少ないことでしょう。ここでは賃貸管理と建物管理、それぞれについて具体的にお話ししていきます。しっかりチェックしましょう。
賃貸管理とは?
賃貸管理とは入居者に関する業務のことですが、各部屋の内側の事柄ということでもあります。業務の多くは分譲マンションでは起こらないため、賃貸管理と呼ばれているのです。それでは具体的に見ていきましょう。
■入居者様の募集・審査・契約
空室は賃貸住宅のオーナーにとって最大の問題です。Webを含むメディアに掲載したり、不動産業者に仲介を依頼したりしますが、募集の成功にはノウハウが必要です。賃貸管理を行っている会社は、オーナーの代わりに入居者様を募集することで、家賃の1カ月分程度の仲介手数料を受け取ります。物件の内覧時に立ち会ったり、入居希望者を審査したり、賃貸契約を代行したりするのも賃貸管理の仕事です。
■家賃の集金・督促
空室の入居者様がせっかく決まっても、家賃がスムーズに集金できなければ意味がありませんし、滞納している方には収めてもらえるよう、督促しなければなりません。非常に面倒な仕事なのですが、これらも賃貸管理会社が代行してくれます。
■クレーム対応
隣の部屋の騒音がひどいとか、ゴミ出しや共用部分を使用するルールが守られていないといったクレームに対応するのも賃貸管理です。トイレなどの水回りが故障した場合などは、24時間体制での対応が求められます。
■退去時の立ち会い・精算
入居者様が退去する際に立ち会って、原状回復や敷金の返還について話し合うのは、トラブルに発展しやすいものです。スムーズな対応には、国土交通省のガイドラインに通じていることや場数を踏んでいる必要がありますが、経験豊富な賃貸管理会社に委託すれば、安心できるでしょう。
■修繕・リフォーム
クロスやフローリングなど退去後には内装に手を入れなくてはならないうえ、人気のない間取りならリフォーム・リノベーションを行わなければなりません。賃貸管理会社によっては職人を自前で抱えていますから、格安で行えるケースもあるでしょう。
建物管理とは?
建物管理とは建物自体に関する業務のことで、賃貸と分譲、両方のケースで発生します。以下に具体的に見ていきましょう。
■建物・設備の維持管理
各部屋や物件ではなく、建物全体や設備の維持管理を行います。具体的には外壁や屋上を定期的に点検・改修を行ったり、エレベータや消防設備、浄化槽などの検査をしたりすることです。建物の資産価値を維持するのに必要となるため、入居者様の安全・安心のためにも欠かせない業務です。
■共用部分の清掃・管理
廊下や駐車場、エントランスなど共用部分の手入れも建物管理の仕事です。日常的な清掃はもちろん高圧洗浄機を使った大掛かりなものは、新たに入居者様を募集する際にも必要なことです。電球が切れている場合は交換するといった、小さな仕事も含まれます。
■修繕計画の立案・実行
定期的な修繕は建物の寿命を伸ばしますが、大規模な物件の場合、金額は大変なものとなってしまいます。そこで、あらかじめ修繕の計画を立てておくのも建物管理の仕事。業者を手配するだけでなく、場合によっては建物管理の会社自身が修繕を行ったりもします。
■管理組合の運営
分譲マンションの運営は管理組合によって行われますが、総会や理事会運営のサポート、各種報告書の作成など非常に面倒なものです。建物管理会社に委託することで負担を大きく軽減できるうえ、一部を丸投げすることもできてしまいます。
信頼のおける不動産管理会社を見分けることが大切!
賃貸管理と建物管理では業務内容が大きく異なるうえ、オーナー様が所有している物件によって必要な業務も変わってくるでしょう。不動産管理会社の中には賃貸管理が得意だったり、建物管理が得意だったりするため、ご自身のケースにあった会社を選ぶ必要があるのです。
一方で共通するのは信頼できる会社に委託すべきだということ。会社の設立年や同業者、Webの評判から推測し候補の業者を複数あげましょう。そして見積りを取って比較します。そのとき、同時に確かめたいのは担当者の人柄。長い付き合いになるため、担当者との相性は重要なのです。
まとめ
不動産管理は賃貸管理と建物管理の2つに分けることができますが、所有している物件によって、必要とする管理内容は異なります。賃貸住宅のオーナー様なら、入居者様の募集が最も重要となるであろう事項のため、ジャンルに特化した不動産管理会社を選ぶというのも一つの方法です。必要としている管理事項に優先順位をつけて、上位を占めるものに強みを持つ管理会社を選ぶのもよいですが、それよりも大切にしたいのは担当者との相性。オーナー様の大切な財産を託すため、信頼のおける人物、そして信頼のおける会社を選びましょう。