不動産管理会社へ支払う手数料相場は？

不動産投資を行うにあたって、不動産管理会社は欠かすことのできない心強いパートナーです。物件の管理から入居者の募集まで一手に引き受けてくれる存在ですが、手数料は一体いくらになるのでしょうか？そこで今回は、不動産管理会社へ支払う手数料相場についてご紹介します。

不動産管理会社へ支払う手数料相場

不動産管理会社へ支払う手数料の相場は、一般的には家賃の5％だといわれています。たとえば家賃10万円の部屋なら、手数料は5,000円というわけです。実際には7％や10％と変動することもありますが、会社によっては3％といった割安な手数料をアピールしている会社もあります。

ただし、そういった会社は広告費や更新料など別途請求されるケースがありますのでご注意ください。また物件によっても手数料は変動し、たとえば戸数「部屋数」が増えればその分手数料も上がります。

なお、不動産管理会社の手数料は賃貸経営の経費として認められています。そのため、確定申告の際には忘れずに計上しておくことをおすすめします。

手数料以外にも支払う費用もある

会社によっては、手数料以外にも別途請求される費用があります。たとえば広告費を兼ねるという名目で家賃1か月分の請求や、修繕費、システム手数料、契約更新料などです。契約を結ぶ際にはこれらの請求もあるかも確認しておきましょう。

手数料を支払うことで提供されるサービス

手数料を支払うことで受けられるサービスには大きく分けて「入居者に関するサービス」、「建物に関するサービス」、「募集案内に関するサービス」の3つです。ここではそれぞれのサービスについて紹介します。

入居者に関するサービス

「入居者に関するサービス」とは、主に家賃回収に敷金、礼金の清算と更新手続き、そして入居者同士のトラブルの解決、退去の際の立会いといった内容になります。

大家としては、毎月送られてくる家賃の送金明細書を見るだけで済むようになるので手間が大きく減りますが、最も大きなメリットは入居者のクレームを請け負ってくれる点です。とくに入居者同士のトラブルは最悪引っ越しされて家賃収入が減りかねないうえに、精神的にも対処に負担がかかります。

不動産管理会社はこうした処理には慣れているため、ここをお任せできるだけでも大家にとっては大きな安心感につながります。また、家賃滞納者がいた場合も催促を代わりに行ってくれます。

建物に関するサービス

主な内容は設備の修理点検にリフォーム、また退去後のルームクリーニングです。物件を定期的に見回りながら外壁や屋根に劣化がないか確認し、老朽化や劣化が激しい場合には建物の修繕を大家に提案してくれます。

賃貸経営を安定させるためには、建物の見栄えも重要な要素です。もし汚れや損傷が目立つ部分があれば、物件の評判が落ちて空き室が増えるリスクがあります。

また大家は「エレベーターが動かない」「給湯器が壊れた」といった設備のトラブルにも24時間365日、すぐに対応しなくてはなりません。不動産管理会社はこうした負担を肩代わりしてくれるのが強みです。また契約内容によっては共用スペース「廊下や玄関」や庭の草抜きといった清掃も行ってくれます。

募集に関するサービス

「募集に関するサービス」には、インターネットや店頭での広告作成に、入居希望者への内見から入居までの契約手続きなどが含まれます。また事前に部屋や設備に異常や汚れがないかも確認してくれるので、大家のすることは契約書に捺印を押すだけになります。

ただし、募集については活動を行っていない不動産管理会社もありますので、管理を委託する前に募集案内をしているかどうかを確認しておくのもポイントです。

不動産管理会社を選ぶときのポイント

不動産管理会社を選ぶときのポイントですが、手数料の安さだけで選ぶことはおすすめしません。

なぜかといえば手数料の安さをアピールしている会社はシステム料や更新事務手数料といった追加料金が設定されているところが多く、他の不動産会社と比較すると「手数料では安かったが、トータルの費用で見るとこちらの方が高額だった」といったケースも考えられるからです。

それに手数料を安くしている分、募集案内を積極的に行ってくれない可能性もあります。具体的にいえば、入居者の募集を自社のみで公開している可能性があるのです。

というのも不動産会社は自社で入居者を獲得できると、仲介手数料を受け取れる仕組みがあります。しかし他社が獲得してしまうと仲介手数料が受け取れないため、あえて自社のみで公開しているのです。大家側から見ればこれは非常にデメリットが大きく、情報公開が狭いと入居者の獲得が難しくなり、空き室が多くなる恐れもあります。

そのため、不動産管理会社を選ぶときには手数料の安さではなく、内容で見るようにしましょう。また、なるべく複数の会社に見積もりをした方が料金やサービスの対応範囲の比較ができるのでおすすめです。

最後に会社の管理物件数や実績も確認しておくと集客力や対応力も比較できます。とくに管理物件が多い会社であればそれだけ集客力、対応力がありますので信頼できる目安になります。

不動産会社の手数料の相場は5％程度で、「入居者対応」「建物の管理」「募集案内」の3つのサービスに分けられます。会社によっては手数料の安さを売りにしているところもありますが、選ぶ際のポイントは手数料の安さではなく、サービス内容や集客力を見るようにしましょう。またなるべく複数の会社に見積もりを依頼しておくと、プランや料金の比較検討ができるのでおすすめです。