【空き家問題】どうやって解決する?有効活用する方法は?
人口減少が止まらない日本では、空き家問題がさらに深刻化すると予想されています。しかし、空き家を放置することは、一体何が問題なのでしょうか。また、空き家問題を解決する方法はあるのでしょうか。この記事では、社会的関心の高い「空き家問題」について、その問題点や解決方法を解説します。
空き家を放置するとどんなことが起こる?
空き家を放置するとさまざまな問題が起こります。近隣の住民に迷惑をかけてしまうおそれがあるため、注意が必要です。
■犯罪の温床になってしまう
空き家は犯罪に利用される可能性があります。よくある事例が、放火犯の標的にされるというものです。空き家は古い木造住宅であることも多く、一度火がつけば燃え広がるのは時間の問題。
しかも、人気がないため発見が遅れる傾向にあります。最悪の場合、周囲の住宅に燃え移り、近隣住民に被害が及ぶでしょう。
また、空き家には逃亡犯が潜んでいたり、違法薬物の栽培に利用されたりすることもあります。空き家で犯罪が行われても発見されにくいのです。
■災害による倒壊
日本は台風や洪水など、災害の多い国です。災害により、空き家が倒壊する可能性もあります。
倒壊した建物の一部で近隣住民がけがをしたり、住宅を損傷させてしまったり、思わぬ被害を与えてしまうことも。その場合、高額な損害賠償を請求されるおそれがあります。
■ゴミの不法投棄場所になる
家庭ごみから産業廃棄物まで、さまざまなごみを不法投棄されるおそれがあります。
とくに注意したいのが、産業廃棄物の不法投棄です。犯人が見つからない場合、空き家の所有者が撤去しなければなりません。家電ひとつにつき数千円の撤去費用を負担することになってしまいます。
■野生動物が住みつく
たぬきやネズミなど、野生動物の住処になる可能性があります。糞尿で異臭がする・夜中に音がするといった苦情が出ることもあるでしょう。
また、ネズミは菌や病原体を媒介するため、健康被害の心配もあります。捨てられた生ごみから害虫が発生する可能性もあります。
空き家の解体は意外と高額?
空き家が問題ならば、解体してしまえばよいと思うかもしれません。しかし、空き家の解体費用は高額になる場合があるため、注意が必要です。
空き家の解体費用は、建物の構造や状態、地域によってバラツキがあります。一般的な相場は、木造の建物で1坪当たり2万5,000~4万円、鉄骨造の建物で1坪当たり3万~5万円です。鉄筋コンクリート造の建物の場合は、1坪当たり3万5,000~6万円といわれています。
そして、建物の解体費用以外に、処分費用やその他の工事費用も必要です。古い家によくある浄化槽の処分費用は、1個あたり50万~80万円が必要でしょう。
また、災害にあった建物や地下室がある場合などは、さらに高額になることが予想されます。予算が知りたい人は、実際に業者に相談して見積もりをとるのがおすすめです。
空き家を有効活用するには?
空き家を解体せずに有効活用する方法もあります。具体的に見てみましょう。
■売却する
最も多いのが、空き家を売却するという方法です。相続のタイミングで不動産会社に仲介を依頼し、買主を探してもらう人も多いようです。
売却するメリットは、固定資産税などの金銭的な負担と空き家を管理する手間がなくなること。空き家問題からなるべく早く解放されたい人は、不動産会社に相談してみるとよいでしょう。
■空き家バンクに登録する
購入希望者がなかなか現れない場合、「空き家バンク」を利用するのもおすすめです。空き家バンクは、自治体が運営しています。空き家を登録しておくと、興味を持った人の連絡先を教えてくれるというサービスです。
不動産業者に仲介を依頼する場合は、物件の案内や契約書の作成まですべてお任せできますが、空き家バンクの場合は自分で行わなければなりません。必要に応じて、専門家に依頼することを検討しましょう。
■賃貸物件として貸し出す
賃貸物件として貸し出し、収入を得るという方法もあります。物件の状態によっては、初期投資としてメンテナンス費用が必要になりますが、入居者がいる限り収入が途切れることはありません。
また、人が住むことで建物の管理がされるため、空き家の状態で放置しておくことに比べると、物件の状態をある程度維持することができるというメリットもあります。
空き家を放置すると、思わぬ問題が発生する可能性があります。近隣住民に迷惑をかけないためにも、空き家を放置してはいけません。
まずは、空き家を有効活用できないか検討してみましょう。売却する・賃貸物件として貸し出すなど、活用方法を不動産会社に相談するのがおすすめです。
売却や賃貸が難しい場合は、解体することも検討しましょう。建物の種類や状態、地域によって費用が変わってくるので、見積もり依頼をするとよいでしょう。
売却や解体をすると、固定資産税などの費用がかからなくなるうえ、管理の手間もなくなります。どんな方法を選ぶにせよ、空き家問題と正面から向き合うことが大切です。